Valkyrie Spear KENZOです。
当ブログではValkyrie Spearのペダルをより深く知って頂くためにここでしか知ることのできない情報を書いていきます。
今回は先日8/26にリリースした当ブランドのフラッグシップ・バッファーモデルViolence Buffer Exの誕生秘話について書きます。

実はこのViolence Buffer Exが生まれるきっかけとして、大人気ロックバンドMUCCのギタリストMIYA(ミヤ)さんとのペダルを通した出会いがあります。
MIYAさんと言えば膨大なのエフェクトペダルを組み込んだ巨大なサウンドシステムで有名ですが、とても有難いことにこれまでValkyrie Spearの代表ペダルのクリーンブースターViolence Booster MK IIを複数台も納品させて頂いてましてペダルボードの用途ごとに使って下さっています。

MIYAさんはこれまで全国ツアーなどでとんでもなく忙しいにもかかわらず、時間を見つけてはValkyrie Spearのペダルを試して下さりまして、細かい音の違いのニュアンスまで的確に感じとられて、その感想までこちらに丁寧にフィードバックしてくださるので、本当に凄い方だと脱帽しています。
話は戻りまして、そのMIYAさんとやりとりさせて頂く中、全国ツアー用のペダルボードでリードサウンドの用途としてViolence Booster MK II を他の歪みペダルを組み合わせた繋ぎ方で導入頂いていると知りました。

その使い方としてViolence Booster MK IIはAlways On(常時ON)の状態にした上でスイッチャーによって通す/通さないを切り替えて使用されているということでした。
MIYAさんとやりとりをする中で私はひそかにValkyrie Spearの新しいペダルの構想を考えていました。
「Always ON」という使われ方に重点を置き、回路のゲインを最適なところで固定したシンプルでつまみとフットスイッチを無くしたブースターライクなバッファーモデルを考えはじめたのです。
これはブースターよりも低ゲインの仕様でサウンドのクオリティーとしては代表ペダルViolence Booster MK II並みにローミッドの迫力とトレブルの艶感を得られる最上位モデルのバッファーというイメージでした。
アーティストの方々はペダルのつまみ位置の微調整など含めてとても繊細なニュアンスの音の変化を耳で聴きながら最終的な音作りを行なっていると思っていまして、ペダルからつまみとフットスイッチを無くすということでペダルボードに導入した後は、つまみのズレなどを全く気にすることなく安定したサウンドをいつも変わらず供給できるようになります。そのような究極にシンプルで手離れの良いペダルを作りたかったのです。
また、ベーシストさんがゲインの引き算で困らないように機能としてユニティーゲイン(ゲイン0dB)にも切り替えられる内蔵スライドスイッチを搭載しようと考えました。

これがViolence Buffer Exの構想の始まりでした。
そこから、本格的に回路の設計に取り掛かりました。ゲイン調整からビンテージパーツを織り交ぜた部品選定で音の鳴り方のカットアンドトライを繰り返しながら半年ほどかけて音づくりを完成させました。

サウンドは以下の試奏動画をご参考ください。ギターとベースで引き比べています。
※音の違いをわかりやすく聴き取るためにヘッドホンやイヤホンでの視聴をお勧めします。
一方で外観のデザインに関しては、つまみとフットスイッチを無くしたことで自由度が広がりました。
満足のいくデザインを追い求めて半年ほどの間、試行錯誤した結果、Valkyrie Spearというブランドの象徴をテーマと決めて「ヴァルキリー」と「スピアー」を一枚の絵になるよう全面に描きました。
そして、皆様のライブが成功するよう祈願を込めてヴァルキリーが戦に勝利したときの喜びの様子を表現しました。
ペダルボードの守り神的な感じになればと思ってます。

また、光り輝く青色のLEDインジケーターは音の流れをイメージして敢えて音の入り口の部分だけを明るく光らせています。

こうして長い期間をかけてようやくViolence Buffer Exが完成しました。

先日、東京・大阪の楽器店様を含めてこのViolence Buffer Exが発売しました。すぐに1stロット完売となりまして本当にありがたいです。

もし、ご興味あれば以下より試奏動画や製品の詳細をチェックしてみてください。

今回はアーティスト・MIYAさんのペダルボードからヒントを得ながら新しいペダルを開発する様子をお伝えしました。
▼InstagramMUCC ミヤ